1. BCP(Business Continuity Plan)とは

事業継続計画/ ビジネス コンティニュイティ・プラン

企業が地震、洪水、火災などの災害に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限に
とどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、
事前に策定される行動計画のことです。
万一の際に考えられる自社の中核事業運営が抱えるリスクと影響(損害)を洗い出し、
そのうえで優先的に復旧すべき業務とそれに必要な設備やシステムを明らかにし、
目標復旧時間の設定や復旧手順を計画していきます。

2. BCPにおける重要な役割

BCP対策には、貴社内の共通認識を持ったマニュアル策定および被害想定が必要です。
一方、専門性の高い建物の構造やインフラ・設備の分野はどこから手をつければよいのかわかりにくい分野です。

目標性能とコストを詳細に検討し、最も適切な提案を行います。

3. 現状の耐震基準だけでは、事業継続に対応できません

1981年に制定された新耐震基準は、建築基準法(建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律)に定められる設計基準の一つであり、以下を目的としたものです。

  • 頻繁におこる大きさの地震に対しては建物の構造に損害がないようにする。
  • 滅多に起こらないが大きな地震に対しては、致命的な損害を回避し人命を保護するようにする。

つまり、人命は確保できるが、継続利用できるかどうかはわからないということに
なります。

4. BCP策定のメリット

災害は突然発生します。
有効な対策をとらなければ事業縮小や従業員の解雇等の状況も考えられます。
平常時からBCPを周到に準備することにより、災害時に事業の継続・早期復旧を図ることができます。

5. BCP対策の流れ  平常時の対策が災害後の事業継続の大きなポイントです。

BCPを成功させるために

災害時において、会社の財産である施設・設備が壊れないためには、建物の事前対策が
必要不可欠です。
また、災害時の初動対応、復旧活動に備えた行動マニュアルの作成、平常時における
従業員への教育、訓練など、包括的な事前対策がBCPの成功に繋がるカギとなります。

6. BCP成功事例 多くの企業がBCPを取り入れ始めています。

電子部品中堅企業

BCP策定前

2004年 新潟県中越地震
  • 半導体工場の操業を停止
    生産ラインは縮小され、本格稼働までに5ヶ月を要した。
  • 結果

    被害総額:約500億円 社員のうち退職100人、転籍100人
    請負・派遣社員は全員契約が打ち切られた

前回震災の経験を生かし、事前にBCPを策定実施

BCP策定実施後

2007年 新潟県中越沖地震
  • 半導体製造装置を完全には固定せず揺れを吸収する改造
  • 衛星電話を導入・行動マニュアルを見直し
  • 結果

    大きな被害には至らず、翌日には操業を再開。

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